家庭の中だけでは出会うことができない、豊かなもの・人・文化、社会と出会える場所がこども園・保育園です。 子どもにとって、お母さんや家族と一緒にいることも大切なことではありますが、それと同じかそれ以上に大切なことは「子どもが社会の中で育つこと」ではないでしょうか。 子どもにとって園という場所が、保護者が仕事等の間に過ごすための場所だけではなく、人としての育ちを豊かにするために必要な環境であり、今を生きることに喜びを感じることができる場でありたいと、私たちは考えています。
子どもが遊びを通して学ぶためには、「豊かな環境」が必用です。
何を見て、何に触れ、何を感じ、何に気づき、何を考えることができるか…それらは全て環境との出会いの中で生まれます。
生まれて最初の6年間をどのような環境で過ごすか、それは子どもの人生にとって、とても大切なことではないでしょうか。
保育室や園庭の「子どもたちのためにこだわった」遊び学ぶための素材。
草花で彩られ、くつろぎがあり、四季の移ろいが感じとれる美しく文化的な環境。
友だちや保育者がいつもそばにいるあたたかく社会的な環境。
子どもたちが、暮らし・学び・育っていく場であるこの園の環境を、私たちは大切に創り続けています。
大人も一人ひとり異なる趣味や仕事、考え方を持つように、人は本来一人ひとりが異なる「らしさ」「素晴らしさ」を持っています。
それは0~6歳の子どもたちも、もちろん同じです。
関心事・好きなこと・得意なこと、一人ひとり異なる「その子らしさ」があり、園の暮らしと学びの中で、その「らしさ」を発揮しながら伸びやかに生きていくことができることを、私たちは教育・保育の中で大切に考えています。
子どもたちが「自分らしさ」を大切に今と未来を幸せに生きていけるように。
食事・着替え・遊びの中で…例え小さなことであっても、大人(保育者)が全てを判断してリードするのではなく、子どもの「感じていること」「意思」「願い」を尊重しながら、対話的な教育・保育を心がけます。
また、子どもたちは園という社会での生活を通して、自分の意思や状況と、周囲の人のそれは異なることにも出会っていきます。
保育の中で自分のことを尊重してもらった経験があることは、やがて周囲の人の状況や意思を踏まえて自分の感情や行動を調整しようとすることへも、つながっていきます。
園で共に暮らす「こどもとこども」「こどもと大人」が互いに尊重し合う暮らしの場を創造します。
子どもが大人になる20年後。社会は激しく変化し続け、ますます複雑化・多様化するグローバルな21世紀社会がやってきます。私たちの周りの身近な社会や仕事のあり方も大きく変化しているでしょう。そうした「簡単に正解が導き出せない」社会を生きていくのが、まさに今目の前にいる子どもたちです。
「みんなと同じようにできる」「知識を覚える」という少し昔の時代の「価値観」で、はたして未来社会を幸せに生きていくことができるでしょうか?今そしてこれからの社会では、「人から言われた通りに」という受け身の姿勢や資質にも増して、「自ら問題を発見・分析・解決しようとしたり、創造性や柔軟な発想を持ち、人とつながりコミュニケーションしながら社会に主体的に関わる」といった姿が、大切なキーワードとなるのではないでしょうか。こうしたことが世界で注目され、日本の教育もより良く変化しようとしています。
教育は未来への働きかけです。
未来を生きる「子どもたちにとって」本当に大切なことは何か?日々問い続けながら、私たちは教育・保育を届けていきます。